③ CFOの突然の辞任_2 CFOが辞任するというのは、実は結構あります。決められていたタイミングなら良いのですが、そうでない場合は特に注意が必要です。またCEOは会社の実情を良く見せようとするので、CFOと普段から確りコミュニケーションをとり、会社の実情を把握する必要があります。 投資先のCFOが就任後1年も経たずに辞任したケースがありました。このCFOもなかなか本当のことを話してはくれませんでしたが、漸く聞き出せたところ、CEOが会社粉飾を強制したことが原因でした。しかも昔からよくある手法で。コンサルティングとかシステム納品とか形のないもので売上を上げている会社は、粉飾しやすいという特徴があります。1社だけでは無理ですが、決算月が異なる会社が何社か共謀することによって架空の売上を計上することが可能になります。ただこれはババ抜きと一緒で、その規模がだんだん大きくなってきて何周かした後には、動かすお金が不足し、必ず破たんするという結末になります。その時ジョーカーを持っていた会社が負けるということになります。CFOはCEOにその取引をやめるよう伝えたのだがやめなかった、結果CEOとの信頼関係が破たんし、そのような状況の中CFOを続けるわけにはいかない、という事でした。至極真っ当だと思います。そのほか、経費に関しても私的流用が見受けられ、それを指摘すると喧嘩になるという事でした。個人的にはCFOの気持ちはすごくわかりますが、投資家としてはそういうガバナンス意識の高い人材が社外流出するのはとてもマイナスで、非常にもったいないな、と思ったので慰留しました。しかし、CFOの決意は変わらず。この投資先については即座にEXITするという方針になりました。たまたま投資金額以上の金額で株式を引受けても良いという会社が現れたため損はしなかったのですが、CFOの辞任をきっかけに会社の実情が把握でき、大事に至らなかったケースといえます。